カルト信者

2006年6月11日 日常
 僕は某観光施設に勤めていて、土日は殆ど仕事なんだけど、今日変なお客さんが来た。

 夕方、事務室で仕事中のところに受付のパートのおばさんが困ったような顔をしてやってきた。変なクレームを言ってくる人がいると言う。「どういうクレームなの?」と聞いてみると、神棚がどうのとか、招き猫がどうの」と言ってきてるそうだ。話の要領が得ないので、待たせるのもアレなのでとりあえずそのお客さんを事務室に通した。20代中頃と思われるおとなしそうな女性だった。以下やりとり。(僕の発言は標準語のつもりの秋田弁を標準語に訳してありますw)

僕「いかがなさいましたか?」

女「こちらの売店には神棚がありますけど、すぐに撤去したほうがいいです。その脇に置いてある招き猫もです}

僕「??…と申されますと?」

女「あのような物は人間にとって非常に良くない、というか人を不幸にするものです。害をなすものです。私も現に今頭が痛いし、吐き気もする。あのような物は撤去すべきです」

僕もこれまであらゆる種類のクレームに対応してきたがこのパターンは初めてだ。少々うろたえたが、この女性の表情というか眼鏡越しの目つき、脂ぎった髪の分け目に溜まったフケ、全体に漂う生理的に受け付けないオーラ、まさに絵に描いたようなカルト宗教系ヲタ女だ。それでも丁寧に応対しなければならない(涙)

僕「そのように申されましても、私どものように商売をしている施設には縁起物であり、来て下さったお客様のご多幸を祈念する意味でも祀ってあるものなので…」

客(さえぎるように)「とんでもない!あれこそがこの世の悪の元凶なんですよ」

僕(ひきつった笑顔で)「…う、うちに祀ってる神棚が元凶なんですか?」

客「いえ、ここだけでは無く、あのような物は日本中から無くさないといけないんです」

僕「…お客様にうちの従業員が何か不快な思いをさせたというのなであれば、ここに連れてきて一緒に深く謝罪させていただきますが、そのようなお申し出には対処できかねますが…」

客「おたくの従業員からなにかされた訳ではありませんけど、私は現に今非常に具合が悪い」

 

 さすがにここで僕のむりやりな笑顔も消えました、ええ。

俺「じゃあ救急車でも呼びますか?」

客「そういう気持ち悪さじゃありません!」

俺「要はあなたが個人的に神様というか神社が嫌いだと。では仮 に撤去したとして何を祀ればいいんですか?それはなんですか?」

と、その女がテーブルに乗せたA4版くらいの大きさの封筒を指差す。

女「これは私達の会報で、非常に有難いものなので是非みてください」

取り出された本は「日蓮○×△あqwせdrftgy」とよく分からない本だ。やっぱ勧誘かよ。

俺「日蓮て創価学会のなにかですか?」

女「いえ、創価ではありません」

俺「宗教のことはよくわかりませんが、いきなり神棚撤去してこれを祀れというのですか??正直胡散臭いですよ」

女「いえいえ、そんなことじゃありません。参考までにご覧になってください」

俺「でもあんたねえ、いきなり来ていの一番に神棚を撤去しろって怒鳴り込んできといて今更参考までにって…そのギャップは何?ていうかわざわざそんなの持ってきて、なんなんですか?」

女「神社はすべての不幸の元凶です。あってはならないものです」

俺「あんたの信仰はわかった。でもそんな極端な主張って平均的な日本人には絶対受け容れられないとおもいますよ。あってはならないものが何で千年も2千年も続いてるんですか?」

女「ですから根本から日本は間違ってるんです」

俺「なにが間違ってるんだ。間違ってるのはあんたでしょうが!」

 俺もヒートアップ(客商売失格)。他の社員が何だ何だと事務室をちらちら覗きだす。

女「靖国神社も間違ってます。あそこに祀られてる人達は実に不幸です。とにかく神道というものはあってはならないんです」

 

 ここでなぜか靖国神社の話に。


俺「はあ???今の俺らのために命投げ出した人達を称える場があって何が悪い!祀られてる人達や宮司にむかってその言葉吐けんのか!」もうタメ口。

女「…と、時を見てそのようにするつもりです」

俺「時って何だよ、こんな片田舎の小さな神棚にイチャモンつけてねーで今すぐ行ってきたらどうなんだ」

女「…い、今はまだその時期ではありませんから…」

 

 急にショボンとしだした女をみて僕も少し冷静になる。


僕「だいたいそんな唯一神だか想像主だかしらんが、それ以外は認めないっていう、極端っていうか原理主義的な主張が今起こってる戦争の大半の原因になってるんじゃないですか?あんたが何を信じようと知ったことじゃないが、それを押付けないでくれ。そろそろお引取り願いたい、どうぞ」

 

 と出口へ誘導する。それでも


女「これは素晴らしいんです。参考までに…」としつこい。

僕「玄関までお見送りいたしますのでお引取りください」

女「…」

となんとか追い出すことができた。
   

 どこのカルト団体かちゃんと聞いとけばよかったな。
ありゃマジでヤバい。目つきが全盛期の宅八郎だった。

以上本日あった本当の話。

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